気の向くままに
圧迫感を感じさせていた道路脇の雪山はみるみる小さくなり、すっかり春めいてきました。この時期特有の強い風も、暖かな空気が流れ込んできたからだと思えば、浮かれた心を吹き飛ばしてしまうほどのものではありません。
帯広近郊は秋撒き小麦の緑色が少しずつ顔をのぞかせてきましたが、北へ向かっていくとやはりまだまだ雪が多く残っています。それでも、この週末の好天に乗じて、いたるところで融雪剤散布が行われていました。スノーモービルで散布していくのでしょうか。なだらかな白いキャンバスに、淡い灰色のラインが幾重にも引かれています。きっと、農家の方にとっても楽しい作業なのでしょう。美しくのびやかな曲線がそれを物語っているように見えます。
さて、この景色、実は迷い込んで見つけた場所でした。この道は来た時とは違うような気がする、と気付いてはいたのですが、青空に誘われてこのまま進んでみたくなったのです。結果的には、雪山に行き止まり、引き返す羽目になったのですが、途中、不思議なほど小鳥の集まる木を見つけたり、赤い壁の可愛らしい家を見つけたり、こんないい風景にも出会えました。たまには、地図とにらめっこなどせずに、ただ迷ってみるのも楽しいものです。何より、小さな冒険をしてみようか、そう思える陽気になったことが嬉しいこの頃です。
2017年03月21日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 652