見慣れた景色
見慣れた通勤路でも、この時期になるとわくわくすることがあります。白い雪がみるみる融けて、現れた茶色い野の原が、緑色に置き換わっていく風景です。何ということはない日常なのですが、この時期だけは季節の移り変わりが面白いように見えて、いつも心が躍るのです。いつか写真に収めて、コマ送りの無声映画のようにつなげてみたい、などと数年前から考えていたのですが、気がつくと緑が顔を出し始めてしまっていて、あぁ今年も出遅れてしまったと、落ち込んだものでした。それが、今年は3月6日の今週のヒューエンスを書きながら、偶然にもこのアイディアを思い出したのです。折しも雪解けが始まったばかりの頃で、今年は何とか間に合ったと嬉しくなりました。
今朝は撮り始めてから初の霧の朝でした。湿度が高いお陰で、木々は霧氷に覆われていましたが、白い霧の奥には青空も透けて見え、今日も暖かくなりそうだと教えてくれました。案の定、昼に改めて見てみると、小川の近くではうっすらと緑が見え始めていました。明日の朝は初めて緑の混じった写真が撮れるかもしれない、そう考えただけで楽しみになります。そうそう、こんな小さな川でも、毎年カルガモやマガモが子育てをするのです。その頃はもう、緑のじゅうたんは背の高さにまでなっているはずですが、そこまで撮り続けてみるのも面白そうです。ひとつの始まりが、また次の始まりへつながっていく、春はそんな季節でもあります。
2017年03月27日
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- 今週のヒューエンス
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