涼をもとめて
だるような暑さの中に身を置くと、わずかな熱にも敏感になります。テレビも給湯機も、蛍光灯の光や扇風機のモーター音からも熱が感じられるような気がして、暑苦しくて仕方がありません。電気を使うものはできる限り電源を切り、室内灯も消して、太陽光で充電されるLEDの小さな明かりだけにしてみたら、夜はずっと過ごしやすくなりました。
連休の中日には暑さは和らいだものの、今度は重たい雨雲が近づいてくるという予報を聞き、その進路を避けるように東へ向かいました。霧多布へ近づくと、湿原にはノハナショウブ花が目立つようになりました。紫紺の花が、緑の草原の中に浮かび、周りのところどころでエゾカンゾウのオレンジやエゾフウロのピンク、ワタスゲの白が彩りを添えています。霧の中で、花びらのふちにいくつも水の玉を蓄えた姿は、それだけで涼を感じさせてくれます。
岬へ向かう途中、花畑の中で、馬がのんびりと草を食んでいました。頭を上げてほしいのに、食べることに夢中の様子でなかなか顔が見えません。きっとたっぷり水分を含んだ若い草は美味しいのでしょう。仕方のないことです。
濃い霧のお陰で、海を見渡すことはできませんでしたが、幻想的で穏やかな雰囲気に包まれて肩の力も抜け、それまでの暑さがうそのように、涼やかな休日となりました。
2017年07月18日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 645