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秋の空

 気がつけば、今日は立秋です。暑い日々を思えば、秋なんてまだまだ暦の上だけのもの、と反論もしてみたくなりますが、ここ北海道はあながちそうとも言い切れません。
 朝、気温も湿度も高く、雨が降るのか降らないのか迷うような低い雲の下を進み、それがやがて霧のように辺り一面を覆い始めます。更に進むと、明るい太陽の下に突き抜けました。厚い雲の上に出ると、更に高い空の上に、巻きあがる風を描いたような筋状の薄い雲が広がります。空が高くなったな、その感覚は、もうすぐそこに秋が到着していることを語っています。
 大地を覆うもこもことした雲は、太陽が高くなるに従って隙間ができ、一部は上昇気流に乗ってふわりと舞い上がり、頂上へ向う私たちの後を追いかけてきます。やがて、雲の上昇速度の方が早くなり、再び雲の中へ飲み込まれました。平地はこの日も夏日の予報ですから、日差しを程よく遮ってくれる雲の中を歩くのは、涼しくて気持ちの良いものです。
 頂上へ到着すると、眼下は当然のように真っ白い雲だらけ。せっかくの展望も、雲の隙間から遠くの町や山が一瞬、うっすらと姿を見せる程度です。残念、辺りからそんな声も聞こえる中、何気なく空を見上げると、太陽の周りに大きな虹の環が現れていました。下半分だけではありますが、こんな立派な日暈を見たのは初めてです。
 高い空の、氷の粒が映し出す芸術も、秋の使者の一人かもしれません。そう言えば、秋は空を眺めるのが楽しい季節でもありました。

2017年08月07日

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