ゆったりと
近くを流れる小川沿いの大きな木に張った蔦の葉が、染まり始めていました。赤い炎が空へ向って駆け上がるような様はなかなか圧巻で、毎年こんな風になっていたのだろうか、と今さらながら驚きました。今朝は、通勤途中にある小さな林にも、同じように秋色の蔦をまとった木がいくつもあったことに気づき、毎日見ている景色の遷り変わりには、思いのほか無頓着だったことを知りました。
秋の細やかな変化をつかまえるには、車のスピードでは少し早すぎるようです。特に街の中では、思いのまま走りを止めたり、寄り道をしたり、道なき道を進んだりという融通が利きません。好きな時に好きなところへ向かって行ける自由さと、好きな調子で進んだり止まったり道がなければ先へ行けない不自由さ、車のように便利なものでも、いつも自由の幅を広げてくれるとは限らないのだと感じます。
今年は特に、秋が駆け足で街まで下りてきました。いつもの年より一週間から二週間は早そうです。でも、色づきはここ何年かの中でも一番いい印象です。こういうときこそ、ゆったりとした気持ちで、身近な草木をじっくりと眺めてみたいものだと思います。
2017年10月10日
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