新しい朝へ
新年最初の出勤日、車を走らせ始めて早々に「失敗した!」と、あわててカメラを取りに引き返しました。視界の奥に見えた河川敷の木々が、銀色に輝いていたからです。大通りの温度計はマイナス13℃。冷えた!というほどの気温ではなかったのですっかり油断していましたが、前日の天気のお陰でしょうか、草木は一様に大粒の結晶をまとっていました。
雪の野原に落ちた影まできらきらしています。そこへ向かうように動物の足跡が続いていました。この跡の主も、私と同じように輝くしげみに足を止めたのでしょうか。頭の上には、そんなとりとめのない問いもあっという間に吸い取ってしまいそうなほど、澄んだ空気が広がっていました。
元旦の朝は、誰もが固唾を呑んで新しい太陽を待ちわびます。それは1年に1度しか訪れない朝だからです。でも、朝は毎日毎日、違う顔で現れます。どんよりと重い朝もあれば嵐の吹き荒れる時もあり、ぎらぎらと照るような朝もあれば今日のような清々しい日もあります。実は、二度と同じ朝が訪れることがないということも、1年に1度きりしか来ない朝と同じくらい有り難いことなのではないかと思います。なぜなら、私たちはどんな時も新しい朝へ向かっていけるからです。変哲のないような朝でも前の日とは違う、その365回の新しい朝に感謝しながら過ごすことができれば、1年はきっと、かけがえのないものになるでしょう。そんな年にしたいと思っています。
2018年01月04日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 684