3月のはじまりは
3月は積雪の大混乱とともに始まりました。
天気予報通りこれは積りそうだと、昼休みに空を見上げてから数時間、会社の窓からトラックが動けなくなっているのが見え、若い社員が3人、スコップを持って救助へ出て行きました。1台掘り出したと思ったら、後ろでまた別の車が埋まっていたそうで、彼らが再び事務所へ戻ってきたのは3時間後でした。みんな頭から肩、背中までびっしょり。空はすっかり墨色になっていましたが、少し湿気を含んだ綿雪は、昼間と変わらぬ速さで降り続けていました。
3月2日の朝も、もちろん、雪かきとともに始まりました。こんもりと雪が積もって大福餅のようになった車を、掘り出さなければなりません。先に駐車場の雪かきを始めていた大家さんと一緒に、重たい雪を運びます。路肩の雪山は頭の高さを優に超えていて、そこへ積み上げるのは一苦労ですが、雪かきの大変さなどはそっちのけで、大家さんの口からは家族のこと、趣味のこと、ご近所さんのこと、次から次へと話題が飛び出てきます。雪かき半分、井戸端会議半分となった1時間はあっという間に過ぎ、気がつけば車もきれいに掘り出されました。
社員の一人は6キロの通勤路を、埋まった他の車を手助け出しながら5時間以上もかけて帰ったそうです。この2日間、徒歩で通勤する人も、スコップを片手に持って、埋まった車を見つけては掘り出してあげている姿を何度か見かけました。ごく自然に、当たり前のように助けたり助けられたりする景色に、心はほんのり温まり、雪国の強さを改めて感じました。
2018年03月05日
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