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動かす力

 雪が降るという週末の天気予報を知っていましたが、思ったより降ったなぁ、と朝一番驚きました。アカエゾマツのすぐ下に生えた福寿草は難を逃れ涼しい顔をしていますが、その傘からわずかにはずれてしまった福寿草は、雪の塊を重そうに背負っています。日が差し込めば、その恩恵をめいっぱい受けることが出来る場所も、この日ばかりは外れクジだったようです。
 植物は根を下ろしたら最後、当たり前のようにその場で一生を終えることになります。思うままに歩き、車に乗り、飛行機に乗り、どこへでも行けると思っている私たちには、動くことが出来ない不便さにばかり目がいってしまいます。でも、それは狭く一方的な見方でしかないのかもしれないと思う、きっかけがありました。「大気中の二酸化炭素が増えて温暖化の原因になっていると言うが、地球の長い歴史から言えば、二酸化炭素濃度はずっと下がり続けていて、それは植物の成長にはマイナスの要因。そんな中で、火を使う人間が生まれ、化石燃料を見つけて燃やし始めたことの意味を考えてしまう。」という言葉でした。
 太古に地球上で繁栄した植物や動物たちの遺骸からできあがったといわれる化石燃料から、再び二酸化炭素を大気中へ解き放つために、人間が火を獲得したとしたら、それは植物たちの大いなる意志が働いているのかもしれないと、ふと思ったからです。もちろん、大いに飛躍した考えであることは承知の上ですが、人間よりもはるかに長く地球と一体となって生き続け、あらゆる命を支える存在であることを思い返すと、座して生き物たちを動かす力をもっているというのも、あながち外れてはいないように思えるのです。

2018年04月16日

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今週のヒューエンス
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