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いぶしたい

 今年のキャンプは、くしくも長い停電を経験した翌週に予定されていました。そのため、仕事の予定がずれ込んだり、現場が立て込んだりと、参加できた社員は限られましたが、食欲の秋を体現すべく、とにかくよく食べた週末となりました。
 始めは差し入れで頂いたお肉からです。午後3時近くから食べ始めて、全員がお腹いっぱいになるくらいの量を、有り難く食べきった頃には、辺りは薄暗くなっていました。誰もが「もう食べられない」とつぶやく中、いそいそと出されたのは燻製のチーズやベーコン。皆がお肉を食べている傍らで、鍋くらいの大きさの燻製器で燻して作られたお手製です。燻製と言えば、アウトドアでやりたいことの上位に入る人気イベントですが、社内キャンプでは初登場です。燻製器を持ち込んだ彼女いわく、6ピースのプロセスチーズが失敗無く作れるのだとか。艶々な燻製色とほのかな木の香りをまとったチーズは、中がとろりとなめらかになり、そのままで食べるよりもずっと豊かな味になっていました。どうしても食べたいものがある場合は各自持参することと、と通達されてはいたものの、チーズだけで5パックも集まるとは驚きで、更にそれらはすべて燻製器にかけられ、翌日の朝食まで絶え間なくテーブルに供給されることになりました。最後には、「私も燻製器を買います!」と宣言した別の社員と"燻し隊"なるものが結成され、どんな燻製器がよいのか、どうすれば美味しい燻製になるのか、話は盛り上がったようです。
 先の停電の際、冷凍保存していたお肉や魚介類を、腐らせてしまう前にとにかく食べ切るしかなかった、という話を耳にしました。もともとは保存食を作る方法のひとつである燻製ですが、貴重な蛋白源の保存性が増し、かつ美味しくもなるならば、もう少し勉強してみようかと私も感じました。燻製という方法だけで、食品の保存を担うことはできませんが、電気を使わずにできるひとつの方法として知っておくことは、もしかしたらどこかで役に立つかもしれません。燻し隊の輪は広がるでしょうか?楽しみです。

2018年09月18日

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