緑岳へ行こう!
広く平らな高根が原から、削り取られたかのような斜面の下には大雪高原沼、そして奥には王冠のような頂をしたトムラウシが見えます。これは緑岳からの景色です。名前の通り緑に覆われたたおやかな山は、想像もつかないような圧倒的な景色の中にあり、身近にこんな世界が広がっていたなんてと、私自身目を開かされた場所でもありました。
その緑岳に久しぶりに足を踏み入れました。この夏はなかなか山行の機会に恵まれていなかったブランクと、前日までの暑さが尾を引いていたためか、ゆっくり歩いていても滝のように汗が流れます。休憩ポイントごとに水を補給して、汗を乾かしてを繰り返していたら、これは甲羅干ししながらの亀の歩みだな、と気付いて可笑しくなってきました。
いつもよりも1時間も多くかかって歩いていました。でも、だからこその収穫も。山頂直下の岩場では、ナキウサギの姿を何度も見ることが出来ました。これまでは、見つけたとしても一瞬で、そんな好機が年に1回あるか無いか、という程度だったのですが、この日は何度も、そしてすぐ目の前にまでやってくるという強運ぶりでした。
やっとの思いで頂上に着いて、「久しぶり」と標識に目を向けた瞬間、気付きました。
「緑岳 標高2019米(メートル)」
標高年だったのか〜!
今年は新しい時代の始まりという節目でもあります。令和に変わって初めて登った山が2019メートルの緑岳だったということに、不思議な感動を覚えました。同じ上川町にありながら黒岳のように初冠雪でニュースに取り上げられることはありませんし、銀泉台のある赤岳のように紅葉のポスターになることもあまりありませんが、紅葉も雪景色も、もちろん花の景色も全く引けをとりません。記念の年に、この景色のファンが増えるといいな、と期待せずにはいられません。
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