コウライナンテンショウ
春先、マムシが頭をもたげたような仏炎苞に、分かっていても、一瞬ぎょっとしてしまうコウライナンテンショウですが、秋にはこんなカラフルな実をつけるのですね。美味しそうかと問われると答えに窮してしまいますが、南国のフルーツのような色彩と艶やかさは、装飾品のモチーフにでも使えそうな魅惑的な姿です。
木洩れ日の中を歩いていても、夜空を見上げていても、絵心などなくても、心がくすぐられるような季節です。何かを始めてみたくなる秋のやる気は、みなぎるように湧いてくる春のそれとは少し違います。ひんやりと心地のよい風が、小さな石のかけらをコトリと転がしていくかのように、心にやってきます。下手だけど描いてみたいとか、小さい頃から憧れていたとか、普段は忙しさの中に紛れてしまうような些細な"欲"の存在を知らせてくるのが、秋なのかもしれません。
2019年10月07日
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