夫婦の姿
外出自粛中の運動不足解消にと、冬の間しまい込んでいた自転車を引っ張り出してきて、十勝川沿いを20キロほど走りました。鳥たちのさえずり合戦が響く中を気持ちよく走っていたら、じんわりと汗がにじむくらいの陽気になっていました。
こんなところに小川が流れていたのか、と小さな発見をしてすぐに、マガモの夫婦を見かけました。春先のカモの夫婦の様子には、他の季節では見られない面白さがあります。
まもなく卵を産み、ひなを育てなくてはいけないメスは、食欲を満たすことが一番の優先事項のようで、すぐ近くの人間も眼中にはありません。冬の間は、離れた場所からでもカメラを向けようものなら、どんどん遠くへ逃げてしまっていたのに比べると、拍子抜けするほど近くに寄ることができます。
一方で、オスはそうはいきません。メスを守るために、視線はじっとこちらに向けたままです。ヒドリガモのオスなどは、私がその場を立ち去るまで「ヒューッ、ヒューッ」と警戒の声をあげ続けていました。
食欲満点なメスと厳戒態勢のオス、夫婦の対比がなんだか面白く、何よりほほえましく、しばらく眺めていてもいい春の日和だったのですが、オスたちの心的負担を考えると、長居は無用のようです。
2020年04月20日
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