マルハナバチ
しとしとと霧雨に包まれた朝、今年植えたズッキーニの一番花(雌花)が開きました。でも、一緒に咲いた雄花も人工授粉できそうな雄花もなかったので、きっとここで成長が止まってしまうことでしょう。このところ、葉も人の顔ほどの大きさにまでみるみる育っていただけに、残念でなりません。
すぐ近くに植えてあるフウロソウには、毎日欠かさずやってくる訪問者がいます。マルハナバチです。澄んだ青紫色のフウロソウを、花から花へと飛びわたり、雨の日でもせっせと蜜集めに精を出しています。一瞬ドキッとするような大きな羽音をたてて飛んでいますが、ふさふさの毛をまとった、ころんと丸い体はとても愛嬌があり、めったなことでは人を刺さないため、我が家では大歓迎の訪問者なのです。
ズッキーニもイチゴもトマトやカボチャも人工受粉ができますが、虫たちが受粉してくれた方が、実の形も良くなると聞きます。でも、自然環境のミツバチは、北海道の冬を越すことができないそうです。だから、マルハナバチやハナアブたち在来の訪花昆虫は、ここ北海道では特に貴重です。彼らが寄ってきてくれるようにと、他にも蜜源になる草花を植えていますが、心配なのは、そちらにばかり目を奪われて、菜園の作物の受粉がおろそかになっているのではないか、ということです。花の中に顔をすっぽりとうずめて蜜を集める様子はとても可愛いのですが、あまりに一心不乱なその姿に、「他の花たちも目に入ってますか?」と、時々尋ねたくなってしまいます。
2020年06月29日
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