冬半ば
また雪が積もり、真っ新になったキャンバスに、動物たちの跡が描かれました。エゾユキウサギにキタキツネ、エゾシカにネズミたち、この数週間は凍れの厳しい日が続いていましたが、しっかりと生き延びている生き物たちのしるしを見つけるたびに、心の中でほっと安堵します。
黒々と豊かな針葉樹を抱いた阿寒の森を進んでいると、雪の斜面にエゾシカの群れを見ることができました。今は、オスの群れとメスの群れが、行動を別にする季節のようです。それぞれ離れた場所で、数頭ずつの群れを何度か見かけました。森の奥よりも、人里近い方が、雪が浅いのかもしれません。雪の中に鼻先を突っ込んで、埋もれたササの葉を引っ張り出して食べています。
一頭がこちらに気づいて顔を上げました。額の上にも、耳の周りにも、雪や氷がついています。ずっとそうやって餌を探し続けているでしょう。枝分かれした立派な角をもっていても、決して十分な脂肪を蓄えているようには見えない腰骨の浮き出た体つきは、ふさふさの冬毛の上からでもわかります。でも、冬はまだ半ば。次の寒波がまた、すぐそこまでやってきています。
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