寒くなるほど
人間とはつくづく慣れる生き物のようで、ここ数週間、凍れる朝が続いていたら、マイナス17度では、「冷えたな〜」などと思わなくなりました。週末の朝も、そんな毎日の続きのように始まりました。
外が明るくなり始めたのを感じてカーテンを開けると、白く染まった河川敷の木々が目に入りました。「あれ、そんなに冷えてた？」と少し驚き、同時にはっとします。今日は休日・・・ということは、見に行ける時間があるということです。出かける支度をばたばたとしながら、毎年こんなことを繰り返しているなぁ〜と頭をよぎりますが、構う暇もなくいつもの場所へ急ぎます。
日の出前に着きたかったのですが、家を出てすぐに、太陽の光が差し込んできたのがわかりました。マジックアワーを逃して少し残念・・・。でも、やっぱりこの景色は、いつ見ても日常とは思えません。しばらく言葉なく眺めていたのは、寒すぎて顔の筋肉が凍り付いていたからだけではありません。真っ白な木々の向こうに、ぼんやりと、そして幻想的に浮かぶ街からは、人間の気配だけが消されているかのようです。
決して寒いのが好きなわけではないのですが、寒くなれば寒くなるほど、行きたい！と思う場所が必ず頭に浮かんでくるのですから、つくづく寒さとは不思議な存在だと感じます。
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