ノビタキセンサー
人間が近づくとすぐに「ジジジッ」と警戒の鳴き声を出すノビタキのオスは、必ず草や木の先に止まっているので、簡単に見つけることができます。「今日もちゃんと仕事をしているな!」と感心に思うのは、大抵、すぐ近くに巣があり、卵やヒナを温めているメスがいるからです。他の動物たちの目を自分に集めることで、家族が見つからないようにする作戦なのかもしれません。
そんなノビタキの姿が好きで、しつこく写真なんかを取り続けていると、それにつられてオスがいつまでも「ジジジジッ」と鳴き続けます。人感センサーのようだと、ますます可笑しく思えてきていつまでも眺めていると、しびれを切らしたようにメスが様子を見に姿を現したりします。メスは冷静ですから、「あ、人間か」程度にしか思っていないのかもしれませんが、すぐに巣へ引き返すことは危険ですから、ただ静かに、私たちが遠ざかるのを待っている様子です。
子育て時期の鳥たちのペアを見ていると、ちゃんと役割分担があって、必要なところを補い合っているんだろうと想像できます。いざという時は、力も合わせるのでしょう。スズメよりも小さな鳥たちが当たり前にやっていることですが、案外、人の間では難しかったりもします。簡単なことを難しくしがちなところもあるかもしれません。多くの情報に心が惑わされてしまうからなのかもしれません。でもやはり、一番大切なことを見失わないことが、力を合わせる上ではとても大事なんだと考えさせられます。ノビタキの頑張りを見るたびに、そう思い出します。
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