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遠い完熟

 今年の春に購入したブルーベリーの苗は、花が沢山咲き、順調に実をつけ、もうそろそろ完熟する頃だと毎日待ち遠しく眺めていました。実がついている枝まで色づき始めたのを確認して、明日の朝に食べてみよう!そう決めていました。
 朝起きてカーテンを開け、すぐに気づきました。まさにその日の朝に食べてみようと決めていた数個の実が、枝からもぎ取られ皮が地面に落ちていたのです。「あぁぁーっ!!」
 ブルーベリーは鳥の大好物だということは知っていました。ネットをかけていなかったのがいけなかったのです。1日が始まって早々、がっくりと肩を落としながら、「イチゴも今日は食べごろになっているだろうから、そっちを収穫しよう」そう思い直し、イチゴのもとへ向かうと、真っ赤ないちごもすでに、鋭いくちばしで大きくえぐられたような跡が残されていました。「ああぁぁぁーっっ!!!」
 大きな畑があり、沢山の苗を育てていれば、多少食べられても残る分があるかもしれませんが、我が家の限られたスペースでは、イチゴでもブルーベリーでも収穫できる実はせいぜい1日に数個程度です。その貴重な果実をいっぺんに取られてしまい、まさに完敗です。
 動物たちが完熟を見計らって食べにやってくるということは、いろいろな人から聞かされていましたが、身をもって体験すると、タイミングを逃さないアンテナの精度には舌を巻かずにはいられません。一方で、私の収穫時期を見極める目もそう外れてはいなかったのだと、変なところには自信がつきました。きっと足りなかったのは、”早起き”です。でも、そこで張り合える気はしないなぁ、と正直思うのです。
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