ひつじ雲
夜の9時前、秋分の月は、もう西の地平線に近づいていました。午後から降り出した雨は、どしゃ降りと小降りを繰り返しながらも、暗くなる頃には上がっていました。見渡す限りを覆っていた重い雲が、いつの間にか切れているのに気づいたのは、沈もうとしていた月が隙間から妙に明るく見えていたからです。
ひつじ雲が月の光を拡散しているおかげか、空は明るく、また少し青みがかっています。月を中心に放射線状に広がる雲はダイナミックでいて、印象派絵画の筆運びのような柔らかさもあります。冷静に考えれば当たり前のことではありますが、青空とセットのイメージが強かったひつじ雲は、夜空にも浮かぶんだなと少し驚きながらその光景を見上げていました。
いいな~こんな秋の夜空も・・・。あいにく手元にカメラはなく、ダメ元でスマートフォンのカメラを向けてみると、おや、思ったよりきれいに撮れました。雲の隙間から見えていた星たちも、ちゃんと捉えています。最新のモデルではありませんが、それでも十分です。いつも使っているカメラで夜空を撮ろうと思ったら、三脚は必須ですし、条件を決めるのにいつも一苦労します。スマートフォンの技術はすごいものだと改めて感心しながらも、次こそは、愛用のカメラでいい一枚を収めたいものだと、思いを馳せました。